企業変革力について研究しているジョン・コッターが著したカモメになったペンギン。様々な企業を研究してわかった企業変革の特徴を寓話に落とし込んだのが本書です。
スラスラと読めてしまうのが大きな特徴。
企業変革ってなんだが難しそうだなって思いましたよね?結論、本書では、『組織にとって困難な状況をどのように切り抜けるか』が学べます。
これは、企業でなくてもチームで動くのであれば、全てに共通します。
- カモメになったペンギンのストーリー
- ストーリーから学ぶ8つの変革プロセス
- 本書で学んだこと
どんなストーリー?
ペンギンの世界が舞台です。
本書では、企業変革に求められる以下の8つのプロセスをペンギンの寓話をベースにわかりやすく教えてくれます。
- 危機意識を高める
- 変革推進チームを作る
- 変革のビジョンと戦略を作る
- 変革のビジョンを周知徹底する
- 行動しやすい環境を整える
- 短期的な成果を生む
- さらに変革を進める
- 新しい文化を築く
自分たちの住む氷山が溶けているぞ!
登場するペンギン:
フレッド:好奇心・創造性・観察力に優れている。冷静。
アリス:実践的・行動力あり。リーダーシップに長けている。誰でも平等に接する。意思が強い。
ある日、好奇心と観察力に優れているペンギンのフレッドが気付きます。
自分たちが住んでいる氷山が溶けている。これからやってくる厳しい冬で氷山が崩れたら大惨事になってしまう。
ただ、フレッドにはリーダーシップがありません。なので、説得力や行動力に優れ、リーダーシップもあるアリスに氷山が溶けていることを報告。
フレッドは、氷山が溶けているポイントを実際にアリスに見せるのでした。
リーダー会議を開く
登場するペンギン:
ノーノー:気象観測を担当。年老いており、考えに固執する。変化には慣れておらず、新しい意見には常に疑う性格。
今にも氷山が崩れそうなことを、アリス・フレッドは会議で報告。今すぐにこの問題を解決するべきだと問題の緊急性を主張。
ただ、ノーノーは、氷山が溶けるなんてありえないとフレッドの意見に猛反対。
全体集会を開く
ルイス:党首ペンギン。みんなの信頼も厚い。
バディ:若々しいペンギンで、信用と好感度が非常に高い。
ジョーダン:論理的。教授という愛称で親しまれている。博学だけど、社交的なタイプではない。
氷山分析チームを結成。事態は非常に深刻であることを一般のペンギンたちにも伝えるべく、ペンギン全員を召集。
氷山が崩れて、住む場所がなくなってしまう困難な状況を乗り越えるべく、分析チームを結成。チームメンバーは、ルイス・アリス・フレッド・バディ・ジョーダンの5羽。
一番解決するべきことは、
氷山が溶けて崩れる可能性が高いため、一刻も早くこの問題をなんとかしなければならない
ただ、それよりも、
現状に何も不安も感じていない仲間に、氷山が溶けている事実を受け入れてもらう難しさ
があることでした。
カモメに話を聞く
現状の打開に頭を悩ませているメンバーだったが、ある日飛んでいるカモメを発見。
話を聞くことに。
次の移住先を探すために私は偵察で来ているんですよ〜
移住することを決意
カモメが教えてくれた「移住する」方法であれば、
氷山が溶けて、崩れおち、自分たちの住む場所がなくなる
ことは避けられる、と話がまとまる。
たった、一つのやり方の中で、長い間暮らしていると、まったく新しい生き方を考えつくことが、なぜこれほど難しいのだろうか?
カモメになったペンギン P63より引用
再び全体集会を開く
氷山の調査と、移住計画を伝えるために2回目の全体集会を開催。疑い深く、古い考え方にとらわれているペンギンたちの心を動かすために、アリスたちは演説します。
直面する問題が非常に緊迫であること、この危機を脱するためには移住することが必要であること。
多くのペンギンたちが、心を動かされ、考えに賛成しました。
偵察隊を編成し、移住先を調査開始
全体集会で多くの同意を得られたアリスたちは、さっそく新たな移住先を見つけるために行動に移します。
なぜすぐに行動に移したのか?それは、みんなの熱気があるうちに行動すべきだからでした。
まず、偵察隊を編成し、新たな氷山を見つけるのでした。
英雄に感謝する日
氷山を見つけるためには、シャチに食べられる危険性もあります。
命がけで新たな移住先を見つける偵察隊は、英雄と考えられるように。
ペンギンの子供達のアイデアで、「英雄に感謝する日」が設けられ、氷山が溶けることを疑っていたペンギンたちの考えも変化が表れました。
大移動開始
偵察隊の活躍もあり、新たな移住先が決定。今や、古い考えに固執しているペンギンたちはかなり少数に。
ついに、新たな移住先に向けて、大移動が始まり、見事に成功したのでした。
一度成功したら、柔軟になれる
ペンギンたちは、次の年からも新たなより良い環境を求めて移住先を決定。
危機的な状況の成功体験があったからこそ、新たな行動もすんなりと行くようになりました。
変革を成功させる8つのプロセス
もう一度、本書で考えさせられる「変革を成功させるプロセスが8つ」をみていきましょう。
- 危機意識を高める
- 変革推進チームを作る
- 変革のビジョンと戦略を作る
- 変革のビジョンを周知徹底する
- 行動しやすい環境を整える
- 短期的な成果を生む
- さらに変革を進める
- 新しい文化を築く
学んだこと
本書の最後では、このように締められています。
たくさんのコロニーの仲間が変化をおそれなくなり、新たな環境に適応するには具体的なステップがあることを学び、もっと素晴らしい未来のためにみんなで協力して挑戦し続けていることだった。
カモメになったペンギン P103より引用
まさしく、チームで最大限の力を発揮するためには、「何が本質」なのか、気づかされる言葉でした。
本書には他にも学べることが多く私自身も何度も読み返しています。
なぜ変化をおそれてしまうのか?
環境を変えたり、新たなことにチャレンジするのってとても勇気が入りますよね。
このままでもいいや。新しいことを覚えたり、行動するのが面倒くさい
私もこう思うことはあります。
もしチャレンジした結果、失敗したらどうしようとも頭をよぎります。
変化をおそれるのは、
これから何が起きるかわからない不安に立ち向かっていくこと
というプレッシャーがあるからだと感じています。
変化をおそれないためにはどうすればいいか?
変化をおそれないためには、結論、変化し続けるしかないと思います。
変化し続けていれば、それが習慣化するので、感覚が慣れるからですね。
じゃあ、変化し続けられないって人はどうするの?って思いますよね。
その場合は、本書を熟読し、自分なりに考えを出すことがいいでしょう。
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